秋葉原殺傷:加藤被告が被害者に手紙「私の罪は万死に値」
東京・秋葉原で昨年6月、17人が殺傷された事件で、殺人などの罪に問われた加藤智大(ともひろ)被告(27)=公判前整理手続き中=が、事件で負傷した元タクシー運転手の湯浅洋さん(55)に謝罪の手紙を送っていたことが分かった。加藤被告は「どんなに後悔し、謝罪しても被害が回復されるはずはなく、私の罪は万死に値するもので、当然死刑になると考えている」などとつづっている。
手紙はB5判の便せん6枚に直筆で書かれており、加藤被告の弁護士を通じて6日、湯浅さん宅に届いた。「ただただ申し訳ない気持ちでいっぱいです」などと書かれた加藤被告の両親の手紙も同封されていた。
加藤被告は「遅々として進まない裁判に皆さまの怒りも限界ではないかと考え、人として謝罪すべきだという結論に至った」と筆を執った理由を記し、事件について「記憶がほとんどないが、やったことには間違いはなく、罪から逃れるつもりはない」としている。
一方、被害者や遺族の苦痛について「私の唯一の居場所であったネット掲示板において、私が『荒らし行為』によってその存在を殺されてしまった時に感じたような我を忘れるような怒りがそれに近いのではないか」と推察。「どうせ死刑だと開き直るのではなく、きちんと全てを説明しようと思っている」と公判への決意とも受け取れる記述もあった。
湯浅さんは「丁寧な字でわかりやすく書かれており、あんな事件を起こす人間とは思えなかった。公判でもすべてを正直に話してもらいたい」と語った。【神澤龍二】