「お前、どこに就職するの?」
「ん、俺? 関電」
“你在哪里工作?”
“我吗?在关电。”
嘘だと思うかもしれませんが、私が「関西電力」の省略形である「関電」という言葉を聞いたのは多分この時が初めてでした。世間ではもっと早くから言われていたのかもしれませんが、私は聞いたことも使ったこともありませんでした。
大家可能不相信,我第一次听到“关西电力”的简称“关电”大概就是这个时候。可能社会上早就这么说了,可我却既没听过也没用过。
しかし、その時私は強い[en]違和感
を覚えたのです。──「関電」だと「関西電力」なのか「関東電力」なのか区別がつかないではないですか!?[/en]
不过当时这却让我感觉很别扭。——说“关电”到底是“关西电力”还是“关东电力”,该怎么区分?
いやいや、関東圏をサービスエリアとする電力会社は「関東電力」ではなく「東京電力」なんですが、当時はそんなこと知りませんでしたから。
不对不对,因为当时我还不知道对关东地区提供服务的电力公司不叫“关东电力”而叫“东京电力”。
余談ですが、それを知ったのは、私が放送局に就職して営業局に配属されたころでした。「ふーん、関東電力ではなくて東京電力なのか」と思った記憶があります。
说点题外话,我知道这点是在我任职电视台后被分配到营业局的时候。我还记得当时想“哦~不是关东电力而是东京电力啊!”
しかし、大阪の放送局ですので通常「東電」と言われれば「東京電通」(電通本社)の意味でした。東京電力は在阪局のスポンサーではありませんので、そう思えて当然です。
但是,在大阪的电视台说“东电”通常是指“东京电通(电通本部)”。东京电力也不是大阪台的赞助商,会这么想也理所当然。
電力会社の話が出たのでガス会社の話もすると、大阪ガスは略して「大ガス」です。でも、これだと大阪ではなく、大森や大崎や大山崎や大分かもしれません。
提到电力公司就顺便说说燃气公司,大阪燃气简称“大燃”,可这么说可能不是大阪,也可能是大森、大崎、大山崎、或是大分(注:以上均为日本地名)。
大阪の略称に「阪」の字を使うことが多いのは、「大」のつく地名が多いのに対して「阪」のつく地名は(少なくとも大阪と同じレベルで語られる地名としては)めったにないからです。
大阪简称多用“阪”,是由于含有“大”字的地名多,而含有“阪”的地名(至少能跟大阪相提并论的)要少的多。
だから、阪神電車とか阪奈道路とか京阪沿線などと使うのです。ここで「大」を使ってしまうと、神戸や奈良や京都とどこを結んでいるのか俄かにピンと来ないようになってしまいます。
所以,就有了“阪神电车(注:大阪神户之间)”、“阪奈道路(注:大阪奈良之间)”“京阪沿线(注:大阪京都之间)”等名称。“阪”如果换成“大”字,就会让人琢磨这究竟是哪儿跟神户奈良京都连接的。
東京の場合を考えると、「東名高速道路」こそ「東」をつかっていますが、一般には京葉とか京浜などと「京」を使うことのほうが多いように思います。それは「東」を使うと地名の略ではなく方角を示す漢字だと受け取られる可能性が高いからでもあります。
东京的话,虽然“东名高速公路”中用了“东”字,但是通常用“京”,比如“京叶”、“京滨”等。这可能也有用“东”的话可能让人联想到表方位的“东”,而非表地名简称。
もちろん「京」を使うと京都と間違われる可能性が出てきますが、首都が東京(江戸)に移ってからすでに数百年、どうやら東京のほうがしっかり優先権を得ているように思います。今では上京と言えば東京に行くことで、誰も京都に行くとは思いません。
当然,用“京”的话也可能跟京都混淆,但是迁都东京(江户)已历数百年,东京始终有着切实的优先权。现在说“上京”大家都知道是去东京,不会认为是去京都。
となると京都に行く場合はどう言うか? 実はちゃんと違う言い方が用意されていて、「上洛」と言います。東京にいる(ある)ことを「在京」と言いますが、京都にいる(ある)ことは「在洛」と言います。
那去京都该怎么说呢?其实也有专门说法,叫“上洛”。“在东京”叫“在京”,“在京都”就叫“在洛”。
同じように大阪にいる(ある)ことは在阪と言います。しかし、大阪に行くことは「上阪」とは言いません。これは(大昔のごく短い期間を除けば)大阪が都(みやこ)であったことがないからなのでしょう。
同样的“在大阪”叫“在阪”,不过“去大阪”不说“上阪”。这可能是因为过去(除了很久以前的短期外)大阪不是首都的缘故。
その代わりに「来阪」という言葉があります。「来京」や「来洛」はありません。
相应的有“来阪”这个词,却没有“来京”“来洛”。