丈夫な布地といえば、肌ざわりもさわやかな木綿(もめん)がまず浮かぶ。木綿の破れにくさを語るエピソードが、冒険家の植村直己さんにある。1984年、北米最高峰マッキンリーで遭難した時の旗の話だ。
一说到结实的布料,首先浮现在眼前的是那手感柔软的棉织品。讲述棉织品不易破损的小插曲是发生在冒险家植村直己先生身上。这是一则有关1984年在攀登北美最高峰麦金利峰(Mount McKinley)途中遇难时旗帜的故事。
単独で登頂した後の消息は不明だが、捜索隊は山頂に残る日米の国旗を回収した。強風に3カ月うたれた実物を、東京の植村冒険館で拝見したことがある。化学繊維の星条旗はあらかたちぎれ飛んでいたのに、木綿の日の丸はほぼ無傷だった。
单独登顶出发后便没有了消息,搜索队将遗留在山顶的日美两国国旗回收了下来。我曾经在东京植村冒险馆见到过这些被强风吹打了3个月的实物。化纤质地的星条旗绝大部分都被撕成了碎片已随风而去所剩无几,可棉织的太阳旗却基本上完好无损。
ところが、化繊もやるもんだと見直した記事がある。米航空宇宙局(NASA)のアポロ計画で、月に立てられたナイロン製の星条旗が健在らしい。月は無風だが、昼夜で300度近い温度変化と、強い紫外線に40年も耐えたことになる。
不过,有一篇报道改变了我们对化纤织品的看法,其实它也是很不错的。因为美国航天局(NASA)阿波罗计划,竖立在月球上的尼龙制星条旗至今好像仍然健在。尽管月球上无风,可它居然经受住了昼夜300度的巨大温差以及强紫外线长达40年的摧残。
米国は69~72年、月面着陸を6回成功させ、そのつど国旗を残してきた。探査機LROが上空から撮影した画像を調べると、5カ所の着陸地点で旗の影が確認できたという。
1969~1972年美国曾6次登月成功,每一次临走时都在那里留下了国旗。据调查探测器LRO从太空拍摄的图像得悉,在五处着陆点仍能确认旗帜身影的存在。
国旗を立てる行為は「領有」の意思表示ともなる。天体を領土にすることは宇宙条約が禁じているが、そこは一番乗りの名誉。米国民はいま一度、スーザの代表曲「星条旗よ永遠なれ」の高揚を感じているだろう。
竖立国旗的行为有表示“占有”的意思。尽管将天体作为领土的做法是宇宙条约所禁止的,可那也彰显了首先进入的一种声誉。恐怕每一个美国国民都会从苏萨(John Philip Sousa)的代表作“星条旗永远飘扬”中感受到扬眉吐气。
ロンドン五輪で50回近く流れた米国歌の題も「星条旗」というから、かの国の旗への愛着がしのばれる。しかし強さと憎さはコインの表裏。地球の津々浦々でこれほど燃やされてきた国旗もあるまい。ちなみに、木綿は主成分が紙と同じセルロースで、よく燃えるそうだ。
在伦敦奥运会上播发了将近50次的美国国歌,其曲名就叫“星条旗”,从这一点也可看出隐藏在人们内心深处的那种对于国旗的敬仰和热爱。然而,强大和 遭恨就好比是一枚银币的正反两面。在地球的各地决没有第二面被如此焚烧过的国旗。顺带说一句,棉织品的主要成分和纸一样都是纤维素,听说是非常易燃的。