今年が生誕300年になるフランスの思想家ルソーが言っている。「理性、判断力はゆっくりと歩いてくるが、偏見は群れをなして走ってくる」(『エミール』今野一雄訳)。偏見に染まるのは早く、こびりついたら容易には消えない。
今年诞辰300周年的法国思想家卢梭生前曾经说过,“理性、判断力都是慢慢地朝我们走来,然而,偏见却是蜂拥而至。”(《埃米尔》今井一雄译)。沾染上偏见往往很快,且一旦沾上则不那么容易清除。
アメリカ社会のイスラム教への偏見は以前から根強い。2年前の今ごろ、フロリダの教会が世界に向けて「コーランを燃やせ」と呼びかけた。激しい反発がイスラム世界に広がったのは記憶に新しい。
美国社会对于伊斯兰教的偏见由来已久积怨颇深。2年前的这个时候,佛罗里达的教会号召全世界“焚毁可兰经”。激烈的反抗一时间遍布整个伊斯兰世界,这一幕至今仍记忆犹新。
今年に入って、米軍幹部の教育機関で、イスラム教徒の市民には空襲のような無差別攻撃が許される、といった内容の授業が行われていたことがわかった。あからさまな蔑視に驚くが、そうした空気を吸って軍人各層は育つらしい。
我们知道,时光到了今年,在培养美军干部的教育部门所教授的课程中,居然出现了诸如对身为伊斯兰教徒的市民允许进行类似空袭般任意进攻的内容。尽管如此明目张胆的蔑视令人吃惊,然而,各阶层军人的确是呼吸着这种程度的空气成长了起来。
そして、また騒ぎである。イスラム教の預言者ムハンマドを侮辱する映像が流れ、怒った民衆の抗議で中東各地は荒れる。引き金になった映像は、炎上を狙って油にマッチを投げたようなものだ。偏見を通り越して、暗い憎悪が透けて見える。
另外,又发生了骚乱。由于侮辱伊斯兰教预言者穆罕默德的电影的公演,愤怒民众的抗议使得中东各地一片混乱。作为导火索的电影就如同是扔进燃油中的一根火柴。我们能够越过偏见,看到黑暗的憎恨。
「挑発に乗るな」という指導層の理性の声が細れば、事態はさらに危うくなる。時を同じくしてリビアの米領事館が襲撃された。これはテロらしいが、大使ら4人の落命が痛ましい。
如果领导人“不要上了挑唆的当”的理性呼声不够响亮的话,事态将进一步恶化。与此同一时段,利比亚的美国领事馆遭到了袭击。看样子是恐怖组织的一次行动,造成了大使等官员4人丧命,实在是令人痛心。
アメリカという国の欠点の一つは「他国を手前勝手に理解すること」だと言われる。それが反発を生んできた。リビアの惨劇を怒りつつ、偏見と独善を消していく努力も望みたい。欲しいものは相互理解。こぶしを開かなくては、握手はできない。
美国这个国家有一个缺点,就是“对于其他国家的情况,任凭自己的主观意识随意理解”,这往往会引起对抗。除了对于发生在利比亚的惨剧深恶痛绝之外,希望努力排除偏见和自我肯定的做法,最重要的是互相理解,因为不松开拳头就无法握手。