2年前の夏、参院選で自民党が勝って与野党の勢力が逆転したとき、小欄でこんな言葉を引用した。「もっともよい復讐の方法は自分まで同じような行為をしないことだ」。古代ローマの哲人皇帝マルクス・アウレリウスの金言である。
2年前的夏天,当自民党在参议院大选中获胜,执政与在野党派的势力发生逆转的时候,敝栏目曾引用了这么一段话,“最好的复仇方法就是自己不施展出同样的行为”。这是古罗马哲人皇帝马尔库斯•奥勒利乌斯(Marcus Aurelius Antoninus)的金玉良言。
その3年前の参院選では、自公が大敗して過半数を割った。民主党はここぞとばかり、参院で首相の問責決議を連打して政権を揺さぶった。ついに自民は下野の涙をのむ。恨みつらみは分からなくもない。
再往前3年的那次参议院大选中,自民、公明党大败,席位跌破半数。民主党抓住机会,在参议院接二连三地提出了针对首相的问责决议,动摇了政权。自民党终于抵挡不住,只得含泪下野,因此并不见得不知道愤恨与沮丧的滋味。
しかし立場が変わり、やられたらやりかえせと意趣返しに走るなら、幼いけんかと変わらない。ここは器の大きさを見せてほしい。そんな意味合いの引用だった。ところが首相や閣僚の問責は繰り返され、きのう参院は野田首相に所信表明すらさせなかった。
但是,处境发生变化,被轰下台的必定要发起反攻,如果真的走上了复仇之路的话,那就和孩童干仗没什么两样了。在这里,希望他们显示出器量的大度。我们是从这一层意思出发引用的这段话。然而,针对首相以及阁僚的问责却反复出现,昨天,参议院就没有让野田首相发表施政演说。
史上初のことといい、演説に対する本会議での代表質問もない。なのに委員会の審議には応じるそうだ。玄関は閉めて勝手口から入れる――首相のメンツをつぶしたつもりで、参院の存在を自ら貶(おとし)めていないか。
可以说这是史无前例的。同时,大会上也没有进行针对演说的代表提问。尽管如此,据说委员会的审议还是要应对的。这是不打算给首相留面子,把大门关上让他从厨房门进来。不知道如此这般,会不会有自我贬低在参议院地位之嫌?
これが前例になれば、参院には玄関など不要ということになる。その先は参院不要論だろう。当選後は6年間保証される身分が「良識」につながらず、解散のない安全地帯で政争にかまけては、世間の風は冷ややかになる。
如果这成了先例的话,就变成参议院不需要大门之类的入口了。再往前走一步,恐怕就发展成参议院不需要论了吧。当选后便赢得6年时间保证的身份并没有使他们获得“良知”。在不存在解散的安全地带,一味地只顾政党间的争斗,社会风气冷漠凄凉。
もっとも今は政権に吹く風の方がよほど冷たい。野田首相もそろそろ通知表を国民からもらう覚悟がいる。潔さは、政治家の器を測る大事な物差しだ。政権に恋々とした目では、国の針路もよくは見えまい。
况且,如今吹向政权的风已经是够冷得了。野田首相也认识到,差不多该是从国民手中领取通知书的时候了。廉洁是衡量政治家器量的重要尺度。恋恋不舍地总盯着政权的眼睛绝不可能看清国家前进的方向。