恒例のクリスマスパレードが中止に、訴訟リスクなどを懸念 米国
【11月16日 AFP】米オハイオ(Ohio)州にある小さな町、アメリア(Amelia)村は、宗教団体などから訴えられて巨額の訴訟費用を支払う危険性を考慮し、ことしのクリスマスパレードを中止すると発表した。
事の発端は、アメリア村で過去28年にわたってクリスマスパレードの資金を出してきたある団体が、ことしからは資金が出せないと発表したことから始まった。
資金難に対し、アメリア村のリロイ・エリントン(Leroy Ellington)村長は、公費を投入することを提案。法律家らの助言に基づき、訴訟防止や政教分離を定めた米国憲法順守の観点から、エリントン村長はパレードの名称をクリスマスパレードから中立的な「ホリデーパレード」にすると発表した。
「ばかげたことにみえるかもしれないけれど、『クリスマスパレード』の弁護に村が支払うことになる訴訟費用は非常に高くつく。(政教分離の原則を定めた)米国憲法修正第1条にもとづいて訴えられる可能性があるんだ」(リロイ・エリントン村長)
しかし、「ホリデーパレード」への名称変更に対し、地元の教会関係者は納得せず、「クリスマスパレード」でなければ参加しないと通告してきたという。
訴訟問題やパレード開催の物流上の問題などが重なり、エリントン村長はついにパレード開催をあきらめた。
エリントン村長は、「一市民としてはクリスマスパレードをやりたい。村長としては、わたしには無駄な税金を支払う危険性を防止する義務がある」と述べ、開催を断念した理由を説明した。