首都移転論に話題沸騰
首都・北京の交通渋滞や大気汚染が悪化の一途をたどる中、たびたび話題に上る「首都移転論」が、中国国内で再び論じられている。
全国工商連不動産商会の陳宝存理事ら専門家が、人口の過密が著しい北京からの首都移転を提唱したのがきっかけだ。北京市の人口過密や渋滞は、第12期5カ年(2011~15年)計画の議題にのぼるほど。人口集中による慢性的な水不足という課題を抱え続けており、内陸部への首都移転が「最良の薬」という考え方だ。
5割が反対だが…
中国共産党機関紙、人民日報傘下の国際情報紙、環球時報やインターネット上などで、議論が沸騰。アンケート調査では、「賛成」は約23%にとどまり、約5割が「反対」ということだが、日々、「世界一」とも称される渋滞に巻き込まれていれば、首都移転という大胆な発想も致し方ない。
首都移転論は、何も今に始まった話ではない。古くは1980年代の半ばから、西安や南京への遷都説が、浮上しては消えてきた。2006年の全国人民代表大会(全人代=国会に相当)では、全代表の約16%に当たる479人の連名で議案が提出された。07年には、商務省研究員が、英紙、フィナンシャル?タイムズ(中国語電子版)で首都移転を訴えたこともあった。
内陸部の都市が候補地
上海華頓経済研究院の沈●(日へんに含)耀院長も首都移転を支持する一人だ。
沈院長は「北京は政治、経済、文化の中心であるが、いずれも負荷を超えている。首都を移転する以外に根本的な解決策はあり得ない」と強調。交通の便がよく、黄河より水資源が豊富な長江(揚子江)流域の湖南省岳陽市、河南省信陽市など内陸部の都市を、移転候補地に挙げている。
首都移転によって、発展が遅れている内陸部への経済効果が期待できる。中国が国家を挙げて取り組む「西部大開発」の拠点にもなる。共産党指導部が進める「和諧社会」の実現にもつながる。うなずける部分もあるが、たとえ首都移転が果たされたとしても、早晩、新しい首都が今の北京と同じ状況に陥ることは目に見えている。
北京は今年、モスクワ(ロシア)、メキシコ市(メキシコ)、サンパウロ(ブラジル)を抑え、米紙、フォーリン?ポリシーが選ぶ「世界で交通渋滞が最も深刻な都市」に輝いた。ナンバープレートの末尾による通行規制を始めても、富裕層は2台、3台と買い足すだけ。市内を走る車は450万台を超えるといわれている。
直らない「自己中心」
最近、北京市が上海市と同様にナンバープレートの発行規制を始めるとのウワサが流れた。すると、駆け込み購入が増加。かえって車両が増加するという悪循環を呼んだ。
しかし、渋滞の本当の原因は車両の増加ではない、というのが偽らざる感想だ。道路の両側を違法駐車の車両が埋め、すれ違うこともままならない。前方が詰まっていても交差点に進入するから、信号が変わっても車が流れない。急に思いついたような車線変更や歩行者無視は日常茶飯事。当然、ブレーキを踏む回数が多くなり、連鎖反応で渋滞が発生する…。
互いに譲り合えば、かなり渋滞が解消されるに違いない。首都移転を論ずる前に、運転マナーの改善を図るべきなのだが、今や「自己中心」こそが中国の“国民性”。その改善が実現不可能なことを、中国人自身が分かっているのだろう。
首都移転に反対する理由として、「これまでの不動産投資が無駄になりかねない」という声が挙がるあたりにも“国民性”が表れている。南京、西安を抑え、旧ソ連への備えとして首都に選ばれたともいわれる北京。最大の難敵が内に存在していたとは、思いも寄らなかっただろう。
(かわごえ はじめ 中国総局)
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再度升温的中国“迁都论”
首都北京的交通和大气污染正日趋恶化,反复热议的“迁都论”在中国国内再次升温。
“迁都论”肇始于全国工商联房地产商会理事陈宝存理事等人提出的首都应该从人口明显过于集中的北京迁出一说。甚至于,北京市已将人口过于集中和交通堵塞等问题列入了本市的第十二个五年计划中。在由于人口集中而导致的慢性水资源缺乏的困扰下,向内陆迁都就成了“最好的良药”。
五成的反对
在人民日报旗下报道国际报道的环球时报和因特网上,人们对迁都的热议不断。调查显示,有只有约23%的人“赞成”,而持“反对”意见的则有近五成。即便每天都被卷进交通拥挤的“世界第一”之中,大部分人都没有过“迁都”这一大胆的想法。
“迁都论”并非始于今日。最早从上世纪八十年代中期就有迁都西安、南京的说法,但不久便销声匿迹。在2006年的全国人民代表大会上,约16%的代表共479人也曾联名提出相关议案。07年更有商务部研究员在英国报纸《金融时报》(中文电子版)上撰文提议迁都。
候选地是内陆城市
上海华顿经济研究院的沈晗耀院长也是迁都支持者中的一员。
“北京虽然是政治、经济、文化中心,但都已超负荷运行。除了迁都之外再无别的根本解决办法。”沈院长如是强调。他同时举例位于长江流域内的湖南省岳阳市、河南省信阳市作为迁都候选地。这些城市交通便利而且较之黄河水资源更丰富。
通过迁都,将会给发展缓慢的内陆带来经济效应,同时也能成为举全国之力的“西部大开发”的据点。甚至关系到共产党推进的“和谐社会”的实现。虽然这些想法都有美好的一面,但即便真的迁都,可以预见,新的首都早晚也会陷入跟北京相同的状况之中。
在今年美国《外交政策》所选出的“世界上交通最拥挤的城市”中,北京力压莫斯科(俄罗斯)、墨西哥市(墨西哥)、圣保罗(巴西)夺得桂冠。即便实施位数单双号限行措施,富裕阶层又只不过多买两三辆车而已。据估计,在北京市内的汽车超过450万辆。
难以改变的“自我中心”主义
最近有消息称北京将像上海一样施行汽车牌照发行限制。消息一旦证实,抢购将增加。这反而成了使车辆增加的恶循环。
但在笔者看来,拥堵的真正原因并非车辆的增加。道路两边停满了违规停放的车辆,行驶的车辆只得擦肩而过。前方已经非常拥堵,后来的车辆仍然去塞满每一个缝隙,就这样虽然换了绿灯但车辆也动弹不得了。突然变更车道行驶跟无视行人更是家常便饭。当然,刹车踩多了,一系列连锁反应也导致了拥堵的产生。
其实,只要肯相互谦让,拥堵问题肯定能解决。在讨论迁都之前,纠正驾驶礼仪才是燃眉之急。但现今对于已成“国民性”的“自我中心”又该如何下手呢?恐怕连中国人自己都觉得这是个实现不了难题。
作为迁都的反对理由之一,“会浪费原有的房地产投资”之类的声音也是“国民性”的流露。当时北京从南京、西安等城市中被选作首都,其中一个原因就是顾虑到苏联。却不曾想到,最大的敌人却躲在堡垒的内部。
(川越一 中国总局)
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