宮部みゆきさんの連載小説「荒神(こうじん)」が、3月14日から始まった。江戸から離れた東北の山深い村で突然、村民たちが消えてしまう。風が、山がうなりをあげる。いったい何が起きているのか。
宫部美雪的小说《荒神》于3月14日开始连载。在远离江户的偏僻东北山村里,村民们突然失踪了。山风呼啸中,到底发生了什么事。
なにものかに襲われた山村でひとり取り残される少年。ふもとで村の惨状を知らされる若き藩士たち。様々な人物が登場するが、主人公は誰かと聞けば「この世のものではない存在。タイトルがそうですから」。
不知被什么袭击了的山村里,唯一幸免的少年,还有住在山脚下得知村子惨况的年轻藩士们,各种各样的人物一一登场,但要问起主人公是谁,却是这个世界上不存在的东西,因为标题就是这么写的。
「荒神」という言葉には、「荒ぶる神」という意味がある。「日本の神様は優しいだけでなく、時には怖いものです。圧倒的に力が及ばない存在に人々が向き合ったとき、どうやって生きのびるか。神に通じるものを倒していいのか。お話の中で展開していくなら、日本人の死生観、宗教観という大きなテーマが私にも書けるかな、と思います」
“荒神”是指“残暴的神灵”。“日本的神不只是温柔的,有时也会很恐怖。面对实力有着压倒性差异的存在,人类究竟该如何生存下来?将通灵者打倒也行吗?随着故事展开,我开始质疑自己到底能否写好日本人的生死观、宗教观这一庞大的主题。”
舞台は東北の、架空の藩だ。「雪の降る場所にしたい」と漠然と思っていた。その地は2年前、東日本大震災に襲われ、多くの命を失い、今も苦しむ人々がいる。「震災のときの東北のみなさんの辛抱強さ、そして互いに助け合うきずなの強さは、今でも忘れがたいです。この作品でも、大変なことが起き、みんなでそれを切り抜けていく。だから、北の国を舞台にしたかった」
故事的舞台是虚构的东北领地,单纯想设置在“下雪的地方”。此处在两年前遭遇东日本大地震,死了很多人,至今还有很多为此受苦的人。“震灾时东北民众强大的忍耐力和互相帮助的深深羁绊,至今仍让我无法忘怀。在本书中,也曾发生过重大的灾难,人们也共同度过了难关。因此,我想把舞台设定在北国。”
朝日新聞での連載は2度目になる。1996年から97年にかけて連載した『理由』は、現代社会を映し出すミステリーとして高く評価され、99年に直木賞を受けた。今回は作風をがらりと変えて、時代小説で。ミステリーから時代小説、SF、ファンタジーまで作風は豊か、読者層も幅広い。「『理由』から、方向性が変わったり、広がったりしたことを連載小説を通して、そのまま報告できると思う」
这是宫部美雪第二次在朝日新闻连载小说。96-97年连载的《理由》作为反映现代社会的推理小说获得了高度评价,并在99年荣获直木奖。此次作品风格却突然改为历史小说。从推理小说到历史小说、SF、奇幻小说,可谓风格百变,读者层的范围也愈加广泛。“通过这些连载小说,我想向读者传达我自《理由》以来一直在改变写作方向,拓展题材。”
挿絵・題字のこうの史代さんは、代表作『夕凪(ゆうなぎ)の街 桜の国』のほか、先月末に全3巻で完結した『ぼおるぺん古事記』などが人気のマンガ家。「荒神」の挿絵は水彩画で、淡く優しく東北の人々を描く。宮部さんは「新聞連載が好きなのは、毎日挿絵をつけてもらえるから。こうのさんのすてきな絵とタッグを組めるのがとても楽しみです」と話す。(中村真理子)
为作品题字并绘制插画的高野史代是一位人气漫画家,上月末刚完结了《圆珠笔古事记》全3卷,代表作还有《傍晚住风之街 樱之国》等等。《荒神》的插画使用了水彩画,描绘出东北人民淡雅、温和的特性。宫部老师还表示“我喜欢报刊连载的原因就是它每天都会配上插画。很期待看到结合了高野先生出色的画作与签名的作品。”(中村直理子)